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2008年5月23日金曜日

送風機の種類

送風機は、吐出し圧力9.8kPaを境にして、ファンとブロワに分類されます。
空調用の送風機は全て圧力9.8kPa未満のファンに属し、約1500Pa以下のものが多く使用されています。

羽根車を通る空気の流れ方向により、遠心型・軸流型・斜流型および横流型に大別されます。

遠心型-羽根車の中を軸方向から入り、径方向に空気が通り抜けます。
軸流型-軸方向から入り軸方向へ空気が通り抜けます。
斜流型-は軸方向から入り軸に対し傾斜して空気が通り抜けます。
横流型-羽根車の外周の一部から入り、反対側の外周の一部へ通り抜けます。

ではもう少し詳しく説明します。

【遠心型送風機】
シロッコファン(多翼ファン)

小型で大風量を扱うことができるので、建築設備用として多く使用されています。
羽根車外形に比べて大きな吸込み口を有し、羽根車は半径方向に短く軸方向に長い多数の前向きの羽根をもっており、羽根角度など流体的な注意を充分払い、動的なアンバランスがないように設計・製作されます。

構造・特性上、高速回転には不向きなので、静圧1000Pa以下の仕様に適しています。
一般空調用では、静圧600~800Pa程度のものがよく使用されています。
送風機の特性としては、風量が大ききなってくると、軸動力も増加してくるので、オーバーロードに注意して選定することが必要です。

ターボファン
羽根車強度も強く、圧力曲線がたっているので、性能も安定しており、広い用途に使用されています。

羽根車は回転方向に対し後方に湾曲した後ろ向き羽根をもっています。
風量の多い場合は両吸込み型を採用することもでき、ボイラ誘引や集塵装置の排気ファンのようにガス中に少量のダストを含む場合にも使用可能です。
充分な剛性を持ったケーシングと動的アンバランスを除去し、高速回転できる羽根車により効率がよく流体力学的にも優れています。
特性としては、最高効率点よりも風量の大きい点で飽和状態となるリミットロード特性を有しています。

また、ターボファンよりも圧力の高い用途に使用される高圧ターボファンは、静圧8~10kPaまでの各種送排風機、工業用途に使用されます。

プレートファン(ラジアルファン)
半径方向に向いた直線放射線状の羽根をもつ送風機で、羽根車の形状が非常に簡単で強固に製作することができますので、塵埃を含むガス、微粉炭、その他の固形物の空気輸送に使用されることが多い。

また、プレートファンよりも圧力の高い用途に使用される高圧プレートファンは、静圧8~10kPaまでの各種送排風機、工業用途に使用されます。

【斜流送風機】

羽根車の形状は遠心型と軸流型の中間にあり、羽根車は鋼板もしくはアルミ鋳物製が多く使用されています。
風量・静圧も小型のわりには取り扱う風量が大きく比較的静圧も高く、効率・騒音面も優れ、リミットロード特性ももっています。



【軸流送風機】


羽根車の前あるいは後ろに静翼を取り付けたタイプで、羽根車は鋼板またはシルミンなどの特殊軽合金で製作されることが多く、静翼・ケーシングは鋼板によってつくられます。
騒音が大きいことが難点ですが、流体力学的には優れた設計がなされており、低圧大風量のものとして使用されています。

送風機の大きさの表し方

送風機の大きさをよく番手という言い方で表しますが、番手とはどうやって決めているのでしょうか。

遠心送風機
遠心送風機で主として、大きさを番手で表します。
羽根車の大きさで決めており、外径150mm~152mmをもって1番としています。#1とも表します。
一般的には送風機全体の大きさを表わす数値とされています。
ダクトサイズは各メーカーによって違いますので、仕様書などで確認しましょう。

斜流送風機
ケーシングのフランジ内径(cm)をもって表します。

軸流送風機
斜流送風機と同様にケーシングのフランジ内径(cm)をもって表します。

内径50cmであれば、~50とか、~500とかいう型番になっているはずです。
50cmを5番とか#5とかいうように表したりもします。

送風機の選定

送風機を選定するためには、選定するための要素が必要です。


1.どんな種類の送風機を使うべきか

2.送風機の番手はいくらにするのか

3.どんな構造の送風機が最適なのか

4.どんな付属品または付属装置が必要なのか

5.どんな電動機(モーター)を使用するのか

1.については、『送風機の種類』でも説明していますが、羽根車を通る空気の流れ方向により、種類が分けられますので、用途により送風機を選定しましょう。

2.については、送風機の選定図は、送風機の番手ごとに横軸に風量(m3/min)、縦軸に静圧(Pa)をとると、その交点の回転数が送風機の回転数に、交点の含まれる動力の範囲が所要電動機の出力となります。
同一の仕様でも送風機の大きさを2~3種類に選定することができます。
一般的に、番手が大きいほうが回転数が低くなり、騒音がやや小さく、電力の消費も少なくなる傾向にあります。
その逆に、番手を小さくすると、回転数が高くなり、騒音も大きくなり、電力の消費も多くなる傾向にあります。

3.については、使用箇所あるいはその装置の状況によって使用する送風機の構造をも考慮しなければなりません。
動力の伝動方法、回転方向、吐出し方向などについてもその装置に最もマッチングした送風機を選ぶべきです。
例えば、シロッコファンでは、両持型(羽根車の両側に軸受を設け、その一端にプーリーを取り付けたもの)を使用すれば、据付スペースは小さく、価格も安価にできますが、吸込み側の軸受は、ダクト管路内に入るため、保守点検も困難になり、気体温度も80℃など高いものであれば、軸受の寿命も短くなります。
このような場合だと、片持ち型(プーリーと羽根車の間に軸受があり、主軸の両端に羽根車及びプーリーを取り付けたもの)を選定するべきです。

4.については、送風機の運転に必要な付属品はもちろんですが、使用目的に応じた付属品や装備をする必要があります。
点検口やドレン抜き、防振ゴム又は防振架台、風量制御用ダンパー、ベルトガードなど、必要に応じて装備するようにしてください。

5.については、送風機の駆動に要する電動機の出力や使用場所の状況によって、考慮するようにしてください。
粉塵の多い場所などは、全閉外扇形、爆発の危険性のある場所であれば、防爆形電動機を使用するなど、使用場所の確認をしながら選定してください。
下記に選定例の表を添付します。

静圧と動圧

静圧
静圧(Psとします)とは送風抵抗に対抗する圧力のことであり、この圧力は流れに平行な物体の表面に気体が及ぼす圧力である。

また、ダクトの一端を封じて片方から送風機で空気を押し込むときに生じる圧力も静圧で、この場合、一方が封じられているのでダクトの中には空気の流れがありません。
空気のないときにも生じる圧力なので、静圧と呼ばれています。


動圧
動圧(Pdとします)は速度圧力ともよばれ、風の速度によって生じる圧力で次式で表されます。

Pd=V2xP・・・Pa

Pd:動圧
 V:風速 m/sec
 p:密度(kg/m3

全圧
全圧(Ptとします)は静圧と動圧を加え合わせた圧力となります。
   Pt=Ps+Pd

静圧・動圧・全圧の関係

気流の場合には、静圧(Ps)と動圧(Pd)の合計エネルギーが全エネルギーで、これを全圧と呼び、Ptで表します。

これらの関係は

静圧(Ps)+動圧(Pd)=全圧(Pt) となります。

排気ダクトの場合は、静圧(Ps)も動圧(Pd)もプラスで、全圧(Pt)も当然プラスになります。

吸引ダクトの場合には、静圧(Ps)の絶対値が動圧(Pd)の絶対値より小さいときは全圧(Pt)はプラス、反対に静圧(Ps)の絶対値が動圧(Pd)の絶対値より大きいときには全圧(Pt)はマイナスになります。

回転数による性能換算

送風機の羽根車の作用は、回転軸に取り付けられたショベルのような感じに似ており、ある回転数のもとでは、常にいくらかの一定量を送り出しています。

すなわち、送風機より送り出す風量は回転数に比例して変化します

また、送風機より風を送り出させまいとする圧力と、ある量を送り出すために必要な軸動力も回転数と重要な関係があります。

送風機の回転数が、N1からN2に変化した場合の性能換算式は下記のようになります。

風量
 Q2=N2/N1xQ1・・・・・・m3/min

圧力
 P2=(N2/N12xP1・・・Pa(kPa)

軸動力
 L2=(N2/N13xL1・・・kW

※プーリー交換などで、回転数を変化させたときによく使用します
※ただし圧力5kPa程度までのもので、回転数の変化が±20%限度とし、これ以上のものは別途考慮を必要とします。

性能曲線は、下記の図のようになります。

温度による性能換算

気体は温度の変化によってその状態は激しく変わります。
送風機の中を通る気体も絶対温度に比例して膨張しますので、体積が2倍になれば、圧力は半分になります。
もちろん、温度が下がれば体積は小さくなり、圧力は体積が小さくなった割合で大きくなります
気体の温度が、t1からt2に変化した場合の性能換算式は下記のようになります。

風量
 Q2=Q1  ・・・・・・・・・・m3/min

圧力
 P2=273+t1/273+t2xP1 ・・・・Pa

軸動力
 L2=273+t1/273+t2xL1 ・・・・kW

性能曲線は下図のようになります。


メーカーのカタログ上での性能曲線は、ほとんどが標準状態での表示になっていると思います。
(温度20℃、絶対圧力101.3kPa、相対湿度65%の空気状態)
よって、20℃以外のガスを取扱う場合には、計算式により求めた圧力により選定するようにしましょう。

下記に例題を表します。
【例題】
P2=2kPa、t2=100℃のガスを取扱う場合、カタログ上での性能曲線(t1=20℃)での圧力はいくら必要か。
また軸動力はどうなるか。
(回答)
2=273+20/273+100xP1

P1=2x273+100/273+20≒2.55(kPa)

ということで、P1が2.55(kPa)のポイントで選定することになります。

軸動力L1は、上記の計算式によりL2に減少します。